【自律訓練法のすべて】やり方・効果・科学的根拠を完全解説|初心者からマスターまで
病院でも採用されるほど、科学的に効果が証明されたリラックス法があるのをご存知ですか?
それは、ドイツの医師が開発し、100年の歴史を持つ「自律訓練法」です。
これは、特別な才能も、スピリチュアルな感性も必要ありません。正しい手順さえ知れば、誰でも、自分自身の力で、心と身体を深いレベルから整えることができるのです。
この記事では、その驚くべき効果の科学的な仕組みから、具体的な練習方法、そして人生を変える応用技法まで、自律訓練法のすべてを、日本で最も詳しく、分かりやすく解説します。
参考:日本の自律訓練法の第一人者の一人佐々木雄二さん関連の書籍や記録
駒澤大学心理学論集,2007,第 9 号,21-42 2007, 9, 21-42自律訓練法―その指導実践 46年 佐々木 雄二
目次
第1章:自律訓練法とは何か?【基本の知識】

自律訓練法の成り立ち
自律訓練法は
ドイツの精神科医シュルツ博士が開発したメソッドです。
一言でいうと、心身機能を自律神経のレベルで回復させる方法です。
今から100年ほど前のことです。
心療治療にかかわる医師たちは、人間は催眠状態に入ると心が穏やかになることを発見していました。
ならば!と 毎日催眠術をかけてやればいいのですが
医師が毎日患者を訪問して催眠術をかけるのは時間的にも費用的にも不可能でした
そこでシュルツ博士は催眠中の身体の様子について膨大な聞き取りを行い
次の事実を発見しました
催眠中に人は
「手足が重く温かく お腹が温かく額が涼しく 心臓の鼓動がゆったりしていて呼吸が静かで深くなる」のだと。
そしてシュルツ博士はこう考えました。
「だったら逆に身体を先に催眠状態の時と同じにすれば 心が催眠状態に入るのではないか?」
シュルツ博士はその手順を体系的にまとめました。
それが自律訓練法の誕生でした。
厚生労働省による高い評価
自己暗示の練習によって段階的に全身の緊張を解いていく訓練法。疲労回復やストレス解消などの効果が期待できる。
自己暗示によって体の筋肉の緊張を解きほぐし、中枢神経や脳の機能を調整して本来の健康な状態へ心身を整えることを目的とした訓練法です。1932年にドイツの精神科医シュルツによって体系化され、心療内科における代表的な治療法として広く使われています。疲労回復やストレスをやわらげるなどの効果があります。
自律訓練法の原則は、(1)できるだけ静かな場所で楽な姿勢をとる、(2)「言語公式」と呼ばれる言葉を頭の中でゆっくり反復する、(3)さりげない集中(受身的集中)を行う、などが挙げられます。リラックスした状態で目を閉じ、言語公式(安定感“気持ちが落ち着いている”、重量感“手足が重い”など)を、決められた順序に従って段階的に心の中で繰り返すことで自己催眠状態に入ります。
この訓練法は目的に応じて使用され、広く心身症、神経症、ストレス解消、精神統一などに効果があります。
自律訓練法を終了する際は、手足の屈伸など決められた終了動作を必ずする必要があります。終了動作を行わないと、脱力感や、不快感が体に残ってしまう場合があります。
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト|e-ヘルスネット
「自律訓練法」と言う言葉の意味|聞きなれないけどとても意味深
ここで大事なことは
自律訓練法は練習方法の名前であって それ自体が目的ではないということです
目的は心身を催眠状態と同じようにすることです
だから 自律訓練法を正確に表現するならば
思い切り堅苦しくなりますがこうなります
自律訓練法とは
「催眠時の心身の状態に
自力でなるための
医学的根拠をもった
体系的な練習方法」
目的は催眠時状態=自律性状態になること
そうなるための方法が自律性への手順
そのための練習が自律訓練法なのです
第2章:自律訓練法のやり方【7つの公式ステップ】
自律訓練法は手足やお腹で温かさを感じて額で涼しさを感じるものです。
そうなるようにするのが練習となります
自律訓練法の練習手順
背景公式 気持ちがとても落ち着いている
第一公式 手足が重い
第二公式 手足が温かい
第三公式 心臓が静かに的確に鼓動している
第四公式 呼吸が楽だ
第五公式 お腹が温かい
第六公式 額が心地よく涼しい
これらの7つの手順が普通自律訓練法の練習と言われるもので
マスターするのに1か月から半年(個人差が大幅にあります)かかります
正式にはこれは自律訓練法標準練習と言います。
この後に様々な応用バージョンもあります。
ただし、この標準練習をマスターするだけで自律神経のバランスが大幅に改善します。
*練習方法の詳細はこちらから
【自律訓練法練習法を徹底解説】世界一詳しくわかりやすい自律訓練法のやり方|自律訓練法まとめ記事
**第3章:なぜ効くの?自律訓練法の効果と脳の仕組み**

自律訓練法のマスターにより大きなリラクゼーションを得て
精神的な抑圧を解放し、自分を肯定的に捉えることができるようになります。
しかも心理的な努力なしに自然に変わっていくことが確認されています。
毎日の生活の中で自由に自律状態に入ることができれば、いつでも自分というものを回復することが可能となります。
通常考えられないほどのリラックス感と落ち着きをもたらすことで、自分も周囲も良く見えてきます。
こういった効果について詳しく見ていきましょう
よく言われる一般的な効果
よく言われる効果は次の6項目です
①蓄積した疲労からの回復がされる
②イライラを失くし穏やかになる
③頭がすっきりし、学習や仕事の能率が上がる
④自己統制力が増し、行動をコントロールできる
⑤内省力がつき自己向上性が増す
⑥知らぬ間に精神的な苦痛が緩和される
これらの効果は生理的な観点からはこうなります
・体への効果
①体が温まる(体内酵素や新陳代謝が活発に)
②血行がよくなる
③血圧が安定する
④疲労回復が進む
⑤副交感神経が活性化して、心身の回復が進む ホメオスタシスが回復する
自律訓練法が心身に与える好影響についてはこんな風に佐々木先生がまとめられています
・身体が活動型から休息型へ心身が変化するので大きなリラクゼーション効果があります。
・体がエネルギーを消耗する型から蓄積型へ そして疲労回復型へと変わる
・高等な精神活動が低下し心身未分化状態へなるのでリラックスする
・批判・分析など総合的客観的に判断する精神活動が弱まり暗示にかかりやすくなる
(⇒特殊訓練:意思訓練公式へ)
・抑制力が弱まり自律性解放の体制ができる(⇒自律性解放へ)
・言葉による論理的思考の代わりにイメージによる視覚的思考がを行いやすくなる
大脳のネガティブ情報から自律神経を守る自律訓練法の生理的仕組み|なぜ心が癒されていくのかわかります
自律訓練法の本当の効果
でもこれらは、自律訓練法をやって自律性状態に何度も入ったことによる
結果としての効果です。
自律訓練法で自律性状態に入っている最中に感じる感覚の素晴らしさは
言葉ではいえないくらい気持ちよく 心のすべてを変えていくような気さえします
この自律性状態の最中の恍惚感についてはあまり紹介されいないように思います
自律性解放 脳幹部と自律神経のリラックス
一般的効果の6項目の中の6番目
「⑥知らぬ間に精神的な苦痛が緩和される」
は自律性開放と呼ばれています。
もともと この効果のために自律訓練法ははじまっています。
自律訓練法により 脳幹部を落ち着かせることができます(間脳やその中にあるう自律神経の中枢など)
そのとき大脳からの膨大なストレス情報から 脳幹部は守られているのです。
なので自律訓練法は 自律神経などの束のある脳幹部リラックス法とも言えます。
そしてリラックスして落ち着きを取り戻した脳幹部は
大脳に向かって今度は肯定的な信号を発進するようになるので、
本人の努力なしにいつのまにか心が元気になっていくのです。
脳幹部リラックスにより意識下にまで及ぶ落ち着き・平和がもたらされ、
意識下から強い自己肯定感が発信される作用が起きると言えるでしょう。
こうした自分の努力なしで
いつのまにか 知らぬ間に
いろんなストレスや過去へのこだわりなどが
自然消滅する=自律性解放という現象も数多く報告されています
【自律性解放】知らぬ間にストレスが解消されている不思議な現象|自律訓練法が引き起こす心のホメオスタシス
第4章:【応用編】自律訓練法を自己変革のツールにする

自律訓練法の基礎である標準練習をマスターしたら様々な応用練習があります
自律訓練法黙想練習
自律訓練法黙想練習は究極のイメージング練習です
最終的には 自分の潜在意識が何を考えているかがイメージで見えるようになります
自律訓練法意思公式練習は自己啓発の手段になる|究極のアファメーション
自律訓練法意思公式練習は、自律訓練法で自律性状態に入ったときに
アファメーションを行います
潜在意識への扉が開いた状態のとき 言葉を入れていくのです
自律性特定器官公式
これは医師でないと取り扱えない領域なのでご紹介のみにとどめます
特定器官公式という方法が自律訓練法にはあって
内臓や血圧など身体の器官に対して暗示をかけていくものです。
*医師でないと取り扱えません
現実に 血圧を下げたり、インシュリン分泌が増えたという実例があります。
このサイトでご紹介するのはこうした医療行為ではなく
自己啓発のための自律訓練法ですが
それだけのすごい効果があるわけです
第5章:実践のためのQ&A(練習時間・コツなど)

全体像をご紹介すると固い内容になりがちですが
この自律訓練法はマスターする前から実は効果があります
練習自体が瞑想の効果を発揮するのです。
そして自律性状態の深みをだんだんと身に着けていくのが自分でもわかるので
モチベーションも続きやすいです。
一回に5分程度の時間でやります。長くやりたいときは
5分でいったんやめて5分はあけてまたやるようにしましょう
というのは
自律訓練法には受動的意識集中というからだの状態が必要なので
練習の初期には3分~5分しか続かないと言われているからです
音楽などを聴きながらするのも効果的です
【自律訓練法のやり方】練習時間は1回5分!|受動的注意集中の持続時間
手の温感だけでもマスターしたら
心身全体にすでに影響は及んでいます
毎日5分ほどの瞑想を続けていけば
ますます良くなります。
まとめ
自律訓練法は、単なるリラクゼーション技法ではありません。 それは、100年の歴史と科学的根拠に裏付けられた、**あなた自身が、自分にとっての最高のセラピストになるための「技術」**です。
この記事で紹介した手順を、まずは毎日5分でも続けてみてください。 あなたの心と体は、あなた自身の力で、本来の健やかなバランスを取り戻し始めるはずです。
その力強い第一歩を、今日から踏み出してみませんか。
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