【イメージストリーミングの基本&効果】ウィン・ウェンガー博士の「潜在意識との対話法」|イメージは潜在意識からやって来る
長い間 イメージというのは夢や幻のようなものと思われてきました
しかし今では
スポーツ選手が試合前や自分のプレイの前に
イメージトレーニングをするのは当たり前になりました
心理療法でもイメージを無視することはできません
そんな中 自分の中でイメージを次々にあふれさせて
そのイメージから潜在意識の考えを読み解くイメージストリーミングは
もっともっと注目されていいメソッドだと思います
目次
イメージストリーミングの概要
イメージストリーミングは
1970年代にアメリカの心理学者ウィン・ウェンガー博士が提唱した心理学の手法です。
「イメージストリーミング」を簡単に説明するとこうなります
①目を閉じて浮かんでくるイメージを言葉にして それを録音する
②その録音を聞き返してそのイメージの意味を考える
③するとイメージの中にあなたの知りたい答えがある
④それは潜在意識からのメッセージである
これはあたかも夢占いや夢分析で夢からのメッセージを読み取るようなものです
イメージストリーミング=イメストは
起きてみる夢=イメージを解釈する異次元のイメトレともいうべき優れた心理ワークです
そんな素晴らしいイメージストリーミングについて詳しくご紹介します
ウィン・ウェンガー博士は天才を研究してイメージストリーミングを開発した
1970年代、アメリカのウィン・ウェンガー博士は、
人間の脳がどうやれば活性化するのか?
天才と普通の人の違いとはなにか?
に ついての研究をしていました。
そして天才たちの共通点のひとつを発見しました。
アインシュタインやファラデーやレオナルド・ダ・ヴィンチなど
天才の多くは病的なメモだったのです。
このことからウェンガー博士は、
人間は自分の思考をメモに記録し、それを読み返す
という思考のフィードバックをいつもやっていると
脳が飛躍的に発展するという結論に至ったのです。
しかし同時にウェンガー博士はメモを取ることの問題点にも気づきました
何かを思いついたとき すぐにメモを取ったとしても
文章を書いている間に時間が経つから 人は着想や思考を編集してしまっているのです
つまりせっかくの潜在意識の知恵に 自意識が色をつけてしまうことになるのです
そう気づいた博士は
メモ書きでない方法で
メモ書きよりも早く タイムラグのない方法で
思考の記録を取ることにしました
ウェンガー博士は浮かんできたイメージそのものを
しゃべって録音することにしたのです
書いてメモすることに比べてよりダイレクトに潜在意識のメッセージを記録できます
これがイメージストリーミングのはじまりです
潜在意識には無限の知恵がイメージとして地下水のように流れている
有名な心理学者、カール・ユング博士は潜在意識=無意識について次のように述べました。
↓ ↓ ↓
*「あなたは心の中に古代の賢人をもっている。あなたは無意識によって宇宙全体とつながっている」
*「学問があろうとなかろうと、誰でも無意識の中に人類共通の知恵を持っている、それは五感からではなくイメージとして突然浮かんで来る」
つまり 無意識の中には素晴らしい叡智が眠っており
イメージはそれを運ぶ知恵の乗り物なのです
さらにまた広く心理学では イメージは潜在意識が使う言語と言われています。
最近の脳科学の分野では
潜在意識自体が思考していて自意識はその編集整理をしているだけとも言われます
潜在意識が何を考えているかを知ると人生が変わる|慶応義塾大学前野教授の講義ダイジェスト
つまり 人間の考える能力の一番すごい部分は潜在意識にあるのですね
無意識=潜在意識の知恵を、自分の意志で取り出すのがイメージストリーミングであり
そうするための具体的な方法がイメージキャッチングです
*イメージストリーミングはかなり難易度の高い手法なので一人でもできるように私が開発した手法がイメージキャッチングです。30秒から1分でできます
夢分析とイメージストリーミングの関係
ユングは夢分析のさかんに行いました。
そしてそこから多くの意味を読み取って行きました
夢もイメージでしょうか?
もちろん夢もイメージです
そして
夢分析はまさにイメージストリーミングの一種です
→夢が語る潜在意識のメッセージ|夢占いも夢分析も潜在意識の解読です
ユングもイメージストリーミングを行っていた?
ユング自身は 潜在意識へのアクセス方法としてアクティブイマジネーションという技法を開発しました
これはイメージストリーミングとイメージトレーニングを交互に繰り返すという内容になっています
一見難解に感じますが イメージストリーミングがわかると コンセプトは簡単にわかります
*詳しくはこちら【能力開発のためのユング心理学】アクティブイマジネーションで潜在意識と対話する|究極の叡智との出会い
自律訓練法の中のイメージング技法
イメージは潜在意識の思考であり イメージを通して潜在意識のメッセージが読み取れる
この考え方は自律神経を癒し 心の囚われを解放していく自律訓練法の中にもあります
通常の手足の温感を感じる練習の中にではなくて
自律訓練法の応用練習の中でも一番難易度の高い自律訓練法黙想練習がそのコンセプトで行われます
ただ これは習得が困難なので実践的とは言い難いです
一方で イメージストリーミングは自律訓練法黙想練習と同等の効果をより簡単に引き出す方法でもあります
参考:【究極のイメージング】自律訓練法で潜在意識からのメッセージを受け取る方法|自律訓練法黙想練習
イメージを記録してわかった潜在能力を引出す驚きの効果
私は1990年代にイメージストリーミングと出会い、その原理に大いに共感して自分でやってみました。
ふって湧いたようなイメージを、敢えて言葉にするのは最初はたいへんでした。
ジョギングをはじめたばかりの体が走れないように、
イメージの言語化というのは、最初とても大変だったのです。
それでもどうにか言葉にしたものを録音してあとで聴くと
驚くべきことにそのテーマについての答えや暗示を自分があっさりと話していました。
イメージを言語化している最中にはなんの自覚もなく
とにかく一生懸命に言葉にしているだけなのですが
後で聞き直すと、
はっきりと的確な答えを語っているのです。
そしてウェンガー博士の本には書かれていないこと、
ウェンガー博士が想定していなかった効果なども体験から発見して行きました。
ウェンガー博士以降の研究|イメージストリーミングの仕組みがよりはっきり解明されてきた
マーク・アシュトン・スミス博士(認知心理学と神経科学の共同博士号を持つ認知科学者で、 英国ケンブリッジ大学で研究)の考え方をご紹介します
スミス博士は
IQ、実行機能、回復力、感情調整、および脳の健康を改善するための脳トレーニングを開発研究しています。
そのスミス博士のイメージストリーミングへの見解です。
イメージストリーミングは、目を閉じてリラックスして
「頭の中で降って湧いたような」イメージを それがどんな変なイメージであっても
とにかく声に出して説明していきます。
そうすることで イメージがイメージを生み、また無関係なイメージが現れこれを繰り返します。
(→雑念が次々に生まれるのと同じです)
このような仕組みは、認知神経科学における
2つの有名な構成要素の組み合わせだとスミス博士は唱えます
その2つとは
「マインドワンダリング」と「メタ意識(認知)」のことです
mind-wandering :マインドワンダリング
(日本語なら雑念と言い換えることもできます)
人はいつも物思いをしている。
あっちにふらふらこっちにふらふらと思考はさ迷い歩く。
待ち時間や車を運転しているとき、電車やバスに乗ってるとき、
お風呂に入っているときなど、
ぼんやりとあれこれ考えたり、向こうから考えが来る。
有名な発見などはいろんな物思いの途中に突然着想が生まれています。
エピソードとして、アルキメデスの比重の発見、エウレカ!や
ニュートンが林檎が落ちるのを見て引力を発見したことなど。無数にありますね。
meta-awarenessメタ意識 (自分の考えの自己認識)
普通の意識をより上位の位置が眺める本当の自分、みたいな意識ですね。
これはやってくる様々なイメージを言語化していくことで
すべてのイメージを対象化していく作業に自然になります
マインドワンダリングとメタ意識が動くことで
その結果マインドフルネス状態に入るのです
最後にアシュトン博士はこう結論づけます。
イメージストリーミングは、認知神経科学の観点からすると、一種のマインドフルネス瞑想である!
これは日本の右脳研究で有名な品川博士も同じことを言っています。
右脳のイメージを左脳が言葉にすると脳はそのことに没頭して集中するというのです。これって今に集中するマインドフルネス状態です。
つまり
イメージストリーミングは
マインドワンダリングによって登場するイメージ(雑念)を使って
マインドフルネス瞑想をしている!
それがイメージストリーミングなのです。
だから瞑想中に雑念が生まれて集中できないという方がもしいたら
むしろその雑念を言葉にすることで瞑想状態に入っていけるのです。
大発見につながるぼんやりとした物思いは実は無意識からのメッセージであり、
それゆえ大発見をする。
そんな無意識からのメッセージはマインドワンダリングの中にいつもある。
その中の一つを言葉にすることで、
それをつかまえ
それによって今に集中するマインドフルネス状態になるのがイメージストリーミングです。
イメージストリーミングの練習方法はこちらをご覧ください
詳しくご紹介しています
日本語でここまでまとまったものはないかもしれません
【補足】イメージストリミーミングと同じ原理|ユングのアクティブイマジネーションとシャッファーのトランスフォーメショナルファンタジー
イメージストリーミングはウィンウェンガー博士が独自は開発した手法ですが
同じ原理の心理学手法が 実はありました
イメージストリーミングは孤立した手法ではなかったのです
臨床で使われる手法は治療目的なので ウェンガー博士のような能力開発としては想定されてません
これらの手法は一般にとても難解とされていますが
イメージストリミーミングをマスターした瞬間
とても簡単に使えるようになります
さらに私はそれらの手法も イメージストリーミング同様 能力開発に使えることを発見しました
以下に詳しくご紹介しています
ユングのアクティブイマジネーション
かの有名なユングが自分自身30年以上にわたって利用した手法です
とても難解と言われユング自身 他の人には理解されづらいと著書もないようです
でもイメージストリーミングがわかるとアクティブイマジネーションの原理は簡単に理解できます
【能力開発のためのユング心理学】アクティブイマジネーションで潜在意識と対話する|究極の叡智との出会い
【最強の潜在意識書換メソッド】ユング心理学を絵本風に読んで楽しんで実践する方法|アクティブイマジネーションのすごさ
シャッファーのトランスフォーメショナルファンタジー
アクティブイマジネーションとよく似ています
シャッファーのトランスフォーメショナルファンタジーは邦訳の本はありません
アマゾンで調べると英語のオリジナルの本はありました
これはイメージの世界でシンボリックに何かを解決すると
現実が自動的に変わるというものです
【ユング心理学の応用版】想像力で潜在意識を引き出す実践的方法|トランスフォーメショナルファンタジーの信じられない効果
まとめ
イメージストリーミングとはなにか?
どんな仕組みで作用するのか?
などについてご紹介してきました。
イメージストリーミングの「目を閉じて自然に浮かんでくるイメージ」
とはそのまま潜在意識のメッセージである奥深い知恵を持っています
それを言葉にすることでイメージを捕まえて(イメージキャッチング)
その言葉を録音してあとで聞き返すことで
自然に浮かび上がったイメージの意味がわかるのです
自然に浮かび上がるというのはつまり、潜在意識からのメッセージに他なりません。
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