デフォルトモードネットワーク(DMN)が脳に創造性を産んでいた!|21世紀に発見された脳のニューモデル<DMNとEMN>右脳左脳神話の終焉

2024年2月5日

脳は左脳と右脳に分かれる!そして創造性をつかさどる右脳がひらめきを生む!
こんな考え方が長い間真実として語られ
右脳開発のための書籍や教材もたくさんありました
しかし21世紀の今日 創造性は
左右両方の脳が作るデフォルトモードネットワークのなせるわざであるとされています
今回はこのデフォルトモードネットワークとは何か?
右脳左脳の考えは間違いなのか?
そんなことを考えていきます

右脳左脳理論は間違い?

右脳左脳理論

右脳左脳という考え方は間違いだったのでしょうか?

右脳の利用法のノウハウは そのままデフォルトモードネットワークの利用法につながるので

今でも有効です

ただ 脳を二分化して考えることは終わったということです

脳の左右二分化は人間の人格の二分化にもつながりイメージしやすかったことで

爆発的ブームを起こしましたね

【右脳礼賛の不都合な真実】右脳を開発するだけでは何も変わらない|右脳の働きと左脳の働きをつなぐことが一番大事!

さらに自意識が左脳にあり 潜在意識が右脳にあるという考え方も

とてもイメージしやすかったのですが これについては残念ながらはっきり間違いでした

ただし 仕組みとしては間違っていても 右脳左脳をイメージすることが自分の潜在意識の発揮に

とても効果がある場合は そういうモデルで考えればいいですね

潜在意識はイメージした通りに作用するものでもあります

脳というのは 右脳だけが動いたり 左脳だけが動いたりすることはなく

いつも左右同時に稼働するから(右脳全盛の時にもこれは言われていました)

右脳派か左脳派かという心理テストも特に意味はなくなりました

右脳左脳は単に脳の機能であり 脳の稼働の仕方には対して影響は与えていないのです

脳のモデルをパソコンに置き換えて考えてみる

脳をコンピューターモデルで考える

脳は場所ごとに役割分担があるといっても

全体がネットワークとなって稼働するシステムだというのが 今では定説です

創造性や芸術性についても

右脳というものが創造性やひらめきをつかさどるのではなく

デフォルトモードネットワークという「ネットワークの在り方」が

それを生み出すというのが現在の考え方です

このことをコンピュータをモデルにしてあてはめると

昔はパソコンというハードが大事だったけど

今ではOSという稼働させる仕組みやインターネットとのつながり方が大事

というのに近いかもしれません

注意:人間の脳の方がパソコンよりはるかに高度なのであくまでモデルとしての話です

ぼんやりしたときに脳が使うエネルギー量に驚いた科学者たち

脳はぼんやりしててもエネルギーを使う

1970年代にスウェーデンの生理学者イングヴァルとデンマークの科学者ラッセンは
血流に放射性物質を注入し それが脳内で流れる様子を体外モニターで観察しました

そして安静時に脳の前部が 特に活発に活動していることに気づきました

そしてこの「安静時の脳の活動」のことを

「目的が不明で 自発的で 意識ある精神作用 」

と定義づけました

「目的が不明で 自発的で 意識ある精神作用 」とは言い換えれば

ぼんやりといろんなことを思い描いてるということ

です

やがてこの研究は発展していき

安静時のこの脳の活動に使うエネルギー量は

何かを真剣に考えているときのエネルギー量の90%にものぼるとわかったのです

これには発見した科学者たちも驚いたそうです

何かをしている時が100なら ぼんやりしているときはほぼゼロで

バグのような雑音的な物思いが10程度エネルギーを使うと考えていたからです

さらに驚いたDMNで行われるマインドワンダリングという活動

マインドワンダリング

では人間の脳は安静時 ぼんやりしているときにいったい何をしているのでしょうか?

ぼんやりしているときって なんとなくいろいろ頭に思い浮かべています

そしてそのほかのことは 特別何もしてないですよね

前述のように科学者たちは 

ぼんやり思い浮かべているときのエネルギーはラジオで言えば雑音みたいなもので

真剣なときの10%もないくらいと考えていたのです

ところがこの「ぼんやり何かを思い浮かべている」という思考は

真剣に考えているときの90%ものエネルギーを使っていることがわかったのです

このときの心の動きはマインドワンダリングと呼ばれました

さらに驚くべきことに

マインドワンダリングの時の思考ネットワークは

真剣な思考の時のネットワークとは違うものを使っているということもわかりました

こうして次のように名づけられました

マインドワンダリング時が デフォルトモードネットワーク

真剣モードの思考ネットワークが エグゼクテイブモードネットワーク

この発見は2001年、まさに21世紀の扉が開いたその年のことでした

脳の中の二つの道路網|驚異のデフォルトモードネットワーク

デフォルトモードネットワークとエグゼクティブモードネットワーク
二つのネットワークは瞬時に切り替わりながら活動する

デフォルトモードネットワークの名付け親はワシントン大学の神経学者レイクルで
彼はこう語っています

命名者レイクルの言葉

「驚いたことに、デフォルトモードネットワークを観察すると、それはまるで別の生き物のようでした。良くも悪くも」

つまり、普通の人間の活動のためのエグゼクテイブモードネットワークと比べると

その動きやあり方は まるで別物だったというわけです

デフォルトモードネットワークは右脳にあるわけではなく脳内に広く分布します

要するにエグゼクテイブモードネットワークデフォルトモードネットワーク

右脳左脳を超えて脳内の全域に張めぐされていて その時その時全体として稼働するわけです

2つのネットワークを街の道路網にたとえると・・・

街には 車が通り人が歩く道路網がありますね

ところがぼんやりしてマインドワンダリングがはじまると

突如として今まで隠れていた全く別の道路網が出現するわけです

そして同じく 今まで隠れていた全く別の車や人がそこを行き来するのです

なのでレイクルはデフォルトモードネットワークを別の生き物のようだと言ったわけです

このこと自体驚異ですが

さらに驚くべきことはネットワークの切り替えは瞬時に 

しかも一日のうちに数えきれないほど何度も行われるということです

なぜなら 私たちはどんなに何かに集中していてもふとぼんやりしますよね

そのたびに切り替わるわけです

たとえば難しい資料作成をしている最中でも

何か本を読みながらでも 数秒マインドワンダリングが起こります

つまり私たちはぶっ通しで集中し続けることはないので

驚くべき頻度でデフォルトモードネットワークの道路網は生活の中に登場するのです

潜在意識の動的モデル|潜在意識は私たちを守り豊かにしてくれる

潜在意識を氷山モデルで考えるのはもう古い|新しい潜在意識モデルとその役割

創造的思考はデフォルトモードネットワークで行われることが発見された!

創造性とひらめき
デフォルトモードネットワークで行われていた思考の結果がひらめき

アメリカでアートデザインを学ぶ学生たちを対象にある実験が行われました

学生たちが絵を描いている間 MRIで脳イメージングをしたのです

すると右脳に特に目立った特徴はなかったのですが

マインドワンダリングをつかさどるデフォルトモードネットワークが強く出ていたとのことです

こうしたことを受けて

神経科学者のレックス・ユング(有名な心理学者とは別人)はさらにつぶさに調査をしました

その結果 創造性はデフォルトモードネットワーク(DMN)から来ると結論づけました

私たちの脳内には何かを集中して考えているときに形成されるとネットワークとは別に

平行して稼働する いつでも簡単に切り替わるもうひとつのネットワーク=デフォルトモードネットワークがあるのです

そしてそのマインドワンダリング=物思いのネットワークが稼働するとき人は創造性を発揮するのです

エグゼクテイブネットワークを顕在意識 

デフォルトネットワークを潜在意識

ととらえることもできる

なので

潜在意識を練り上げるにはぼんやりして物思いのふけることが大事ということになります

だからこそ偉大な発見はぼんやりしたときに閃いていたのですね

【閃く脳の作り方】閃きは潜在意識からイメージに乗ってやって来る|第六感と直感を使いこなして人生を豊かにする

まだ謎が多いデフォルトモードネットワーク|宇宙のダークエネルギー・ダークマターと同じような存在?

ダークエネルギーとダークマター

ぼんやりとしているとき

真剣に考えてるときの90%ものエネルギーを使うとご紹介しました

すると真剣に考えるエネルギーって普段の10%だけプラスアルファってことにもなります

ぼんやりしていても頭を使っているらしいということなのですが

デフォルトモードネットワークの時

何にどう頭をつかっているのかは まだ不明で研究中だそうです

これはあたかも宇宙の中に私たちの知っている物質の他に

ダークマター、ダークエネルギーがありそれらの方がはるかに大きな質量であるのと似ています

デフォルトモードネットワークとは脳のアイドリング状態という意見もありましたが

今日ではそれはたぶん間違いで

積極的な潜在意識の思考が行われていると考えた方がいろんな意味で合致するのではないか?

私はそれをモデルに潜在意識を利用しています

アルファ波との関係

もうひとつ ぼんやりしたときのデフォルトモードネットワークに対して

ぼんやりしたときに出るアルファ波があります

ということはアルファ波とはデフォルトモードネットワークに切り替わった証拠ではないのか?

アルファ波とデフォルトモードネットワークの関係はどうなっているのか?

こんな研究もはじまっているようです

【徹底解説】アルファ波の出てる人はアルファ波の出し方を知っている|アルファの効果とシータ波との違いそして瞑想への応用

まとめ

今回はデフォルトモードネットワークについて

いろいろなことを考えてみました

はじめて耳にされた方には

少し難しかったかもしれませんが

ポイントがわかれば全体がすんなり納得できると思います

デフォルトモードネットワークの存在を意識することで

うつ病の治療などにも応用されているそうです

いろんな可能性を開くデフォルトモードネットワーク!

それは明確に登場し人生を豊かなものにしてくれるのです

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