【自律性解放】知らぬ間にストレスが解消されている不思議な現象|自律訓練法が引き起こす心のホメオスタシス

2024年12月21日

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自律訓練法を行っていると
重さを感じたり温かさを感じたりなどの
練習そのものの効果とは無関係に起こるものがあります。
身体面で言えば皮膚感覚としてチクチクする、頬がひくひくする、身体がかゆいなど。
心理面では 昔のことをやたら思い出す とてもやさしい気持ちになる 許されたような気分になるなど。
自律訓練法の草創期には これらはバグのようなものと考えられていましたが
今では このような反応は潜在意識の奥底が自律訓練法によって癒された結果だとわかっています
これが 自律性解放の発見でした

自律訓練法中に生じる様々な心身の反応

自律訓練法の練習では
手足の温感やお腹の温感 額の涼感を目指し
その感覚を得ていくことになります

自律訓練法で心が解放される

しかし そうした本来目指す感覚以外にも

自律訓練法の練習中に次のような心身の反応として現れます 

佐々木雄二著「自律訓練法の実際」より

・感覚反応 
・運動反応 
・思い浮かぶこと 
・幻覚 
・心臓のどきどき 
・おなかのごろごろ
・過去の思い出が浮かぶ 

・未来へのわくわく感                                       
・空想的イメージ 
・感情興奮が起こる 
・大脳的・間脳的・脳幹部的反応たち

これらは温感や重感を得ようと練習していると   自律訓練法の副産物のように登場します

これらは自律訓練法の草創期にはバグのようなものだと思われていました

しかしながら こうした反応が最終的にはたいへんなストレス解消をもたらすのです

自律訓練法をすると
潜在意識の奥=脳の内部にたまった抑圧が
無意識的に解放されることがわかって来たのです

これを自律性解放といいます。

  自律訓練法のご紹介記事はこちらになります

【体験から語る自律訓練法】ストレスを解消して自律神経を整えるために|自律訓練法の仕組みと効果を全部解説

自律性解放の仕組み|脳にはストレスを解放する機能がある

 どうして自律訓練法をすると 自律性解放が起こるのでしょう?
どんな仕組みで起きるのでしょうか?
2つのモデルをご紹介します

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私たちの脳には「中心脳保安解放系」がある!

中心脳保安解放系

そう考えることで自律性解放の仕組みはとても簡単にわかります。

つまり 私たちの脳内ネットワークは いろんな囚われの思いが溜まって来ると

脳は自らの安全と健康な維持のために

有害な感情ネットワークを解除するというものです

自分を苦しめていたネガティブな感情思考のネットワークがなくなるので

ストレスの原因が消滅してしまうということです

いつのまにかストレスが消える 自律性解放が起こるというわけです

心にもホメオスタシスがある(恒常性の維持機能)

ウイルスや細菌が体内に入ると 熱が出たり嘔吐したりしますね

それは身体の中を正常に保つためのものです

寒いところでも暑いところでも体温は一定範囲内に保たれますし

脈拍や心臓の鼓動もそうです

みなホメオスタシスです

一番わかりやすい例は

ホメオスタシスのわかりやすい例

あなたが100メートルを全力疾走したとします

走り終わると呼吸は激しくなり 心臓の鼓動も早まりますね

しかし しばらくすると元に戻ります

そう たいていのことは身体の仕組みで生存に最適な一定範囲内に戻るのです

こうしたことが心にも起こっていると考えると自律性解放はわかります

どんなにつらいことがあっても 時が経てば楽になっていくのは

まさに心理的ホメオスタシスの働きです

自律訓練法は心のホメオスタシスを早め方法でもあります

*このあたりの詳しい話はこちらに書いています

大脳のネガティブ情報から自律神経を守る自律訓練法の生理的仕組み|なぜ心が癒されていくのかわかります

つまり
自律性解放は
ホメオスタシスの心理バージョンと考えるとわかりやすいでしょう

自律性解放を誘導する2つの方法

自律性解放への2つの方法
Sporty young muslim woman taking yoga lessons at home

自律性解放に向かう時の心の姿勢|受動的注意集中から受動的受動へ

自律訓練法の練習には「受動的注意集」という心の姿勢が必須ですね

気合を入れて温感や重感を獲得しょうとしてはいけないのです

それが向こうからやって来るのを待って 来たと思ったら捕まえるのです

ところが自律性解放の場合は「受動的受動」という姿勢が必要となります

発生する心身の反応をそのままただ眺める ただ感じる

受動的注意集中と違って それがやってきても獲得しようと思ってはいけない

ただただ眺め感じるという究極の受動的姿勢になるのです

この受動的受動こそ変性意識状態で感じる受け身の境地なのです

*このあたりの感覚は難しいので詳しく知りたい方はこちらから

【変性意識状態とはなにか?】自律訓練法で変性意識状態に入ると脳が変わる|変性意識へのまとめ記事

自律性除反応と自律性言語化

すべては受け身のような感じのする自律性解放ですが
意思の力でその効果を早める方法もあります

自然発生的に行われる解放を 

意思の力で促進することを「自律性除反応」といいます

ただし あくまで受動的注意集中の姿勢で行う必要があります

いろんな反応を 見つめていくというような感じで脳のペースにまかせることです

さらにそれを発展させて 自律性解放が起こっているときの

心身に現れる様子を言葉にしていくことを 自律性言語化といいます

自律性解放を積極的に引き出そうとする技法です

自律性除反応で見えてくるものを言語化して

録音して

のちにそれを書留め、自分の解放のパターンを見ます。

見えるもの感じるもの思い出すこと思い付くこと

私の脳はわたしに何を伝えようとしているのか

などが読み解けて来ます。

この自律性言語化の一連のやり方は

イメージストリーミングそのものといってもいいでしょう

【イメージストリーミングの基本&効果】ウィン・ウェンガー博士が天才の研究からあみだしたユング心理学の発展形ワーク|もうひとつのマインドフルネス

まとめ

自律訓練法で訪れる自律性状態という感覚は

深いアルファ波状態、深い瞑想状態などとも同じ境地です

これらはみな変性意識状態です

最近では変性的な意識ではなくてこちらのほうが根源的だということで

変性意識状態ではなく根源意識状態と呼ばれることもあります

あまりにも言葉と論理で充満した私たちの意識の奥に

人間が本来あるべき姿としての

根源意識状態の境地があるわけです

これは今や科学的にもその状態は確認されています

そしてこの根源意識=自律性状態に毎日はいっていると

ネガティブな思考を無意識が修復するという

自律性解放が起こるのです

自律訓練法の効果は本当に素晴らしいものがあります