【営業コーチング】第1回/全2回:入社半年の30代前半の男性の生保セールスコーチング|分析と行動指針作成
今回は生保コーチングの実践のご紹介です。
私は生保のセールスマネージャーを
日本社で13年 外資系で7年の
通算20年やっていたので
生保営業についてはティーチングもできます。
しかし
ティーチングで売れるようになった部下はいません。
売れるようになった部下はもれなく
コーチングでした
自分で考えた深い納得感がなければ行動しないからです
そんな生保コーチング体験から
思う様に売れずに悩んでいるセールスパースンに
時々営業に特化したコーチングをしています。
今回、30代Sさんの事例をご本人のご承諾のもとご紹介することにしました
目次
Sさんの現状成績
Sさんネットで無料セッションに申し込まれて
一度ズームで話したあと、ご契約をいただき、第一回目のセッションとなりました。
Sさんの了承を得て概略をご紹介しています。
Sさんは昨年の8月に外資系生保に転職。一ヵ月の勉強を経て9月から営業を開始しています。
9月 12件 4被被保険者
10月 10件 4被保険者
11月10件 3被保険者
12月 4件 2被保険者
1月 4件 2被保険者
2月 3件 1被保険者
という成績でした
合計すると
43件 16被保険者。同じ世帯でのご夫婦や子供さんの契約もあるので
世帯数は10世帯です。
成果を生保営業でなくて一般的な営業として見るとどうなのか?
営業成績には生保営業独自の捉え方がありますが
ここは思い切りシンプルにとらえて
とにかく意思決定の主体者は何件だったのか、
何件の交渉をしたのかという観点で見ると
Sさんの仕事は単純に
10世帯の世帯の意思決定を受けたということです。
つまり営業の仕事の成果は10件であったということです。
43件というのは
10人の意思決定者がOKを出したことで受注した商品の数です。
だから営業成果は10件であるということです。
ちょうど半年で10件の商談合意であるということです
これをSさんに考えてもらったところ
起業のつもりで生保営業の世界に転職して
半年で10件はとても少ない。
しかも現在 先ぼそり状態であるということで、
現状と今後についてさらに深く考えていきました
*生保の成績カウントはANPや件数であることが大半なので
ついつい本当の営業成績と勘違いすることがありますね
営業スキルの現状分析
Sさんは前職も営業だったので、基本的なスキルは比較的高く理解力も高い人です。
生保ではロープレをとても重視しますがそれもうまい
ロープレ ◎
商品知識◎
年金や医療等の周辺知識 △
所長との人間関係 〇
会社のバックアップ 〇
営業所内の人間関係△
このような自己評価であり、仕事の障害となるものはないようです
営業成績が伸び悩んでいる原因は?
Sさんは、セールスプロセスが始まればどれも得意だと言います
生保のセールスプロセスとは
FAファーストアプローチ☞FFファクトファインディング☞プレゼン➡クロージング☞契約後の証券説明
Sさんは相手がFAの席に座ってくれさえすれば、次のステップに進めさせる技量はあるし自信もあります。会社からはFA以降の研修はいやというほど教えてもらうし、いわばこのベルトコンベアとも言うべきプロセスにいかにお客様を乗せるかがすべてであると教えられる。
ところがそのセールスプロセスのベルトコンベアに乗せる材料がそろそろなくなってきたのです
つまり
行くところがなくなってきました。
FAから証券説明の全行程でいつも紹介をもらいましょうというのが、
生保セールスの鉄則ですが、実はそれは最高難易度の営業です。
この最高難易度を標準ベースにするので
生保営業はできる人はとてつもなくできてできない人はまったくできない、という二極化に分かれるのです。
プロセスごとに紹介をもらえるのは1年から3年くらいたってからです。
仕事をはじめたばかりの新人にいちいち紹介する人はいません。もらえるとしたら天才です。天才をモデルにしてもうまくいきません。
お客様がSさんというコンテンツにお金を払う理由とは?
セールスプロセスのベルトコンベアに乗せる原石とは、
とにかく座って話を聞く人です。
それをどうやって探すか?
なのですがここでコーチングの中でSさんに考えてもらったことがあります。
まず次の考えは間違いだと伝えました
「保険契約を獲得して会社から手数料をもらう」
これは間違いです。この考え方で仕事をしたら絶対うまくいきません
正しくは
「あなたの発信する価値にお客様がお金を払う」
です。
お客様の保険料は保険会社が提供する保険商品という価値への支払いです
会社はお客様からの販売手数料を付加保険料の一部としてもらっています。
お客様は保険販売における的確な説明と案内への代金を保険料の一部として払っているのです。
保険という価値をきちんと知らしめる役割を果たす人への手数料をお客様は払うのですね。
さてでは
お客様は
Sさんになぜお金を払うのでしょう。
Sさんには
「コンテンツ」として
どんな価値があるから
お金をいただけるのでしょう
これを深く考えてもらいました。
つまりお客様がSさんの話を聞くことでどんないいことがあるのか?ですね。
自分というコンテンツとは何か?それがわかると気持ちと動きが変わる
行くところがない
生保セールスの永遠の課題です。
しかし
これは知人からの紹介獲得営業がすべてである
が生んだ幻です。
行くところはあるけど行かないのです。
保険セールスは家を買いたい人や車を買いたい人に限らず
だれでもが対象になるので
理論的には街を歩いていて
そこにいる人全員に声をかけてもいいのです。
だから行くところがない
ではなく
話しかけやすい人がいない
が正しい表現です。
さてSさんは自分のコンテンツをこう定義づけました
「生命保険商品について
それがいかに死亡時や老後や入院などの
人生の経済リスクに役立つかを
わかりやすく説明して安心して保険加入できるようにするためのガイド」
きちんとお客様にとってどんな価値があるかが書かれています。
もしも「わかりやすく説明する」
で終わっているならこれからも売れません。
Sさんはコーチングの会話の中から、
自分がいることで
お客様にどんな良いことがあるのかを考えたと言います。それこそコンテンツの役割です
お客様が安心して保険加入できるように解説説明をする人間なのだとみずからを位置付けたのです
話ながらSさんの気分が楽になったことがわかりました
次のステップは「自分は保険加入に役に立つ人間だから多くの人に知ってもらわないといけない」
多くの人はどのようにして、どんなきっかけで、どんな関係者から保険に入ったのでしょう?
Sさんは自分をコンテンツとしてみることで自然とそんな疑問を持ちました。
これまで証券を見せてもらっては
自社商品の見積もりを出すようにしていた活動は
お客様にはなんの価値もなない活動だったと気づきました。
お客様は商品に関心はない、お客様は保険加入を安心してしたい
これだと思ったのです。
自分というコンテンツを発信しないといけない
こうなるとホームページのSEO対策のようなもので
いかに多くの人に目にとまるようにするかというテーマになります。
コンプライアンスの問題等で自分の募集人としてのホームページは作れません、
普通は。
そこで次のふたつをやることにしました。
①もういちど知り合いすべてにアポをとる。
ただし保険加入に向けて必要性の話などをするのではなく、
どんなきっかけで、どんな関係者から保険に入ったのかを丁寧に聞くためです。
会社のコンテンツは保険商品ですが
セールスマンのコンテンツは加入のお手伝いです。
それがどんな風に行われてみんなが保険に入ってるかを確かめるのですね。
いろんなケースやドラマがあるのでそれだけでたいへんな勉強になりますし、
売りたい一心の訪問と違って、
相手の状況に興味をもっての訪問になるからお互い楽ですし充実したいいものになるでしょう
②自分という保険加入のお手伝いのコンテンツは、役に立つ
という自信もあるのでできるだけ多くに人にそのことを発信しようと決めました。
そこでチラシを作り飛込活動をすることになりました。
これについては少しティーチングも交えてお伝えしました。
5種類のチラシを常に五か所のゾーンで配布していくというものです。
まとめ|Sさんは毎日やることがたくさんできたからやる気が出てきた
先細りのはじまったセールスマンの御多分にもれず、
Sさんもやることがなく、
行くところがなく、
苦しい暇な時間が増えていくところでした。
そうなると勉強するとか試算ばかりつくるとかへんな状態になります。
コーチングのあとSさんはやることが爆発的に増えました。
まず自らを保険加入にあたって役立つコンテンツだと明確に意識して
お客様が役立つセールスマンから保険に加入する率は低いと仮説をたて
組織的に自分はどんなことをするのかを発信していってます。
もともとやる気もあり、ほがらかなのでこの調子でやっていくと成果は出ると確信します。
まだおためし一回、正式なセッションの一回目を終えたところですが、すでに吹っ切れた感があります。
わたしの予想だと、どんな経緯で誰から契約したかを聞きまわるだけでそこからも契約がでると思います。
チラシ作戦で契約がでたら、ゆくゆくはMDRTも狙えると思います
飛込的な活動で契約になったときこそ一番紹介もでるのです
ほんとに気に入ってもらえたわけですので。
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