こんにちは、辻冬馬です。
最近、ユング派分析家・老松克博さんの本に夢中です。
その理由は、ISATで私やクライアントさんが体験していることが、
ユングの「アクティブ・イマジネーション」の事例と驚くほど似ているからです。
その中で、とても興味深かった言葉があります。
「空間の濃淡(空間の有魂化)」
今日はこの考え方について、私自身の体験も交えながらお話ししたいと思います。
イメージトレーニングは「時間の逆転」
スポーツではイメージトレーニングがよく行われます。
弓道であれば、まず矢が的の中心に当たる場面を心に描きます。
ゴルフなら、ボールがカップに吸い込まれる場面をイメージします。
つまり、
未来の成功を先に体験してから、現在へ戻って行動する。
これは言わば「時間の逆転」です。
未来が現在を導く、とても優れた方法です。
空間の逆転という発想
ところが、老松さんの本を読んでいて、それとは少し違う世界があることに気づきました。
それが
空間の濃淡
あるいは
空間の有魂化
という考え方です。
これは時間ではなく、
空間そのものが変わる
という感覚です。
闇にも濃淡がある
自律訓練法の黙想練習を続けていると、不思議なことが起こります。
目を閉じていますから見えているのは瞼の裏の黒だけです。
ところが、その黒が一色ではなくなってきます。
ある黒は深く吸い込まれるようであり、
ある黒は薄く平面的です。
ある部分には奥行きがあり、
ある部分にはエネルギーが満ちているようにも感じます。
つまり、
闇にも濃淡が生まれてくるのです。
もちろん物理的に色が変わったわけではありません。
しかし、心の深まりによって、空間の質そのものが変化して感じられるようになります。
この現実の空間でも同じことが起こる
では、この感覚を現実世界にも広げてみるとどうでしょう。
スポーツで考えてみます。
普通のイメージトレーニングでは、
「この一本の軌道で飛べば成功する」
という一本の道を描きます。
しかし、それ以外の空間は失敗の領域になります。
成功への一本道だけが味方であり、それ以外は敵になってしまうのです。
ところが空間の有魂化では違います。
まず立った場所で、
空間全体を感じます。
そして、
「この空間のどこを通っても、的へ導かれていく」
そんな感覚を持ちます。
もちろん現実には矢は一本の軌道しか飛びません。
しかし、その一本を支えているのは一本の線ではありません。
空間全体なのです。
自分だけが頑張るのではない。
周囲の空間そのものが、自分を受け止め、支え、成功へ向かって自律的に働いてくれる。
そんな感覚になります。
世界は生きている
ISATの深いイメージワークでも、ときどきこのような体験が起こります。
世界を自分が操作しているのではありません。
世界の側が、自分を迎え入れてくれる。
空間全体が、生き物のように応えてくれる。
ユング派では、このような現象を「空間の有魂化」と呼んでいます。
私は、この考え方とISATで起こる深い体験には、とても大きな共通点を感じています。
もしかすると、本当に変性意識が深まるということは、
「イメージが見える」
ことだけではなく、
世界そのものが生き生きと感じられるようになることなのかもしれません。
このテーマは、私自身もまだ探究の途中です。
これからも老松さんの著作を読み進めながら、ISATとの共通点や新しい発見があれば、このメルマガでもご紹介していきたいと思います。
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